2016年11月11日 UP
マーケティング

「無名なブランドが真のブランドになるために行ったこと」

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2016年4月27日(水)19:00〜21:00東京渋谷にて、高倉塾主催による「第6回高倉サロン」が開催されました。

今回は、ロクシタンジャポン株式会社 代表取締役会長の鷹野志穂さんをゲストに迎え、「無名なブランドが真のブランドになるために行ったこと」をテーマに、自らの経験に基づくマーケティング手法をお話いただきました。

 

ロクシタンは、1976年にフランスで立ち上がった化粧品メーカー。
ハンドクリームが代表的な「ロクシタンブランド」は、日本だけでなく世界各地の多くの女性の方々に支持され、今では世界に1200店舗を展開する有名ブランドです。

1998年、日本に「ロクシタン・ジャポン」が参入した際はロクシタンを知る人はごくわずかで、無名のブランドのため売り上げもわずかであったそうです。しかしながら、今では国内に102店舗、売上250億を超える企業にまで発展しました。

 

資金もなく知名度もないブランドが、どうやって愛されるブランドに成長できたのか?
ロクシタン成長の裏側には沢山の試行錯誤があったといいます。

鷹野さん曰く、まず名前を覚えてもらうために、「◯◯といえば、ロクシタン」の◯◯を必死に考えられたそうです。そして他のブランドが持っていないもの、日本のお客様に受け入れられやすいものを試行錯誤し、◯◯にあたる「シアハンドクリーム」が生み出されました。

 

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一般的にブランドビジネスは、ブランドイメージを損なわないよう、非常に多くの決まり事がありますが、ロクシタンでは違いました。

 

皆さんは、各店舗に「黒板」があるのをご存知でしょうか?
この黒板へ何を書くか、どのように黒板をディスプレイするか、各店舗のスタッフが自分たちで考え「黒板」をプロモーションの一つとして活用しています。ロクシタンでは、本社のマーケティング担当だけでなく、店舗スタッフも含めて全員がマーケターなのですね。

 

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自分たちができるマーケティングを少しずつ実践してきた結果、現在のロクシタンが作られました。
「通勤・通学者の足をとめる」ことを目的に、無名時代から行っていた「店内ウィンドウテーマの変更」は、有名になった現在でも変わらず3週間に1回のペースで変更しているそうです。

 

「プレス向けイベントもこれまでどおり、『ロクシタンはいつもおもしろい』、『よく考えているよね』と思ってもらえるように、全力でやっていきたい。」と鷹野さんから今後の抱負が語られ講義は終了いたしました。

 

最後に、高倉先生より
「彼女は『ロクシタン』というブランドを一言で表現できる。ロクシタンといえば◯◯。これがブランド作りには大切なんです。その裏には1000本ノックと言われるような試行錯誤が繰り返されている。」と総括がありました。

 

高倉サロンは、マーケティングに成功している企業トップの講演を聞くことができる、貴重な機会です。
ご興味のある方はぜひご参加ください。

 

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鷹野 志穂(Shiho Takano)

東京女子大学 文理学部卒
新卒で日本の食品メーカーに総合職1期生として入社。その後外資化粧品メーカー、飲料メーカーにおいてブランドマネジメントを中心としたマーケティングマネージャー職などに携わる。2001年よりロクシタンジャポン株式会社に入社。2001年日本代表。2004年代表取締役社長。2015年代表取締役会長。

 

 

 

 

 

 

hp97p82cc8eca905e82p_255x340高倉 豊(Yutaka Takakura)

元ウブロ・ジャパン代表取締役1948年兵庫県生まれ。
自由学園男子最高学部を卒業後、1970年に博報堂に入社。入社5年目から、中東&欧州に計11年間に滞在。39歳で博報堂を退社。翌年40歳で外資系高級化粧品メーカー、パルファム・ジバンシイの日本法人トップに抜擢される。以降、イヴ・サンローラン・パルファンやシスレーの日本法人、外資系高級時計メーカーのタグホイヤーやウブロの日本法人、計5社の外資トップを20年間務める。その間、次々と自社の業績を回復させ、「ブランド再生人」として業界で有名になる。2011年6月末、ウブロ社長を辞任。
現在は、ビジネスコンサルタントとして活躍するかたわら、執筆・講演活動を行う。

 

 

<ロクシタンについて>

1976年、当時23歳だったオリビエ・ボーザンが、南フランスの自然と伝統を伝えたいという想いから創設。植物成分をベースに南仏の工場で生産したスキンケア、ボディケア、ヘアケア、フレグランスなどの化粧品を、南仏風デザインの直営店舗を中心に販売。1990年代より世界戦略を展開し、現在世界で2800店舗。
また、直営店舗以外でもホテルのアメニティや、機内販売、空港の免税店、ギフトカタログ、テレビショッピング、Eコマーズなどのユニークなマルチチャネル展開でも成功している。また、ライフスタイルコスメの先駆けとして、カフェやスパの展開も成功している。
日本では1998年に直営一号店がオープンし、世界戦略の一環として子会社が設立された。
2014年現在直営店舗102店舗、売上250億 従業員数950名。

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