2017年4月21日 UP
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<インタビュー連載企画 第1弾>トップリーダーに聞く!『次世代リーダーの条件』②

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3月末より開始した<インタビュー連載企画 第1弾>。
長年にわたりビジネスの第一線で活躍されてきたトップリーダーに、
ご自身の体験を踏まえた『次世代リーダーの条件』についてお話を伺います。
ご自身がリーダーとして活躍されてきた中で、どのような思いを大切にされてきたのか。
リーダーとしてのあるべき姿やこれからの次世代リーダーに必要なこととは何か。
未来の羅針盤として、是非ご活用ください!

 

“伝説のブランド再生人”が語る!
「コミットメントの重要性」

2人目は弊社でプロデュースをしている『高倉塾』塾長、“伝説のブランド再生人” 高倉豊先生です。
高倉先生は、『パルファム・ジバンシイ』『イヴ・サンローラン・パルファン』『シスレー』『タグホイヤー』『ウブロ』など計5社の外資系ブランドのトップとして、日本撤退寸前のブランドの業績を回復させたブランド再生のプロフェッショナルです。本インタビューでは、高倉先生が日本撤退寸前のブランドの業績を回復させてきた背景に、どのような考えや行動があったのか、そして次世代リーダーへのメッセージを伺いました。

 

『自ら考え、発信することで評価を得る』


高倉 豊(たかくら ゆたか)
元ウブロ・ジャパン代表取締役
1948年兵庫県生まれ。自由学園男子最高学部を卒業後、1970年に博報堂に入社。
入社5年目から、中東&欧州に計11年間に滞在。39歳で博報堂を退社。翌年40歳で外資系高級化粧品メーカー、パルファム・ジバンシイの日本法人トップに抜擢される。
以降、イヴ・サンローラン・パルファンやシスレーの日本法人、外資系高級時計メーカーのタグホイヤーやウブロの日本法人、計5社の外資トップを20年間務める。その間、次々と自社の業績を回復させ、「ブランド再生人」として業界で有名になる。2011年6月末、ウブロ社長を辞任。現在は、ビジネスコンサルタントとして活躍するかたわら、執筆・講演活動を行う。

――本日はよろしくお願いいたします。まずは高倉先生のご経歴について教えてください。

高倉(以下敬称略):
自由学園男子最高学部を卒業後、博報堂に入社をしました。
当時は高度成長期で大変な売り手市場でしたから、就職は何とかなるだろうと呑気なものでした。私の場合は、博報堂で当時要職を務められていた学校の先輩に声をかけていただきました。博報堂は、今では誰もが知る大企業ですが、当時私は名前を聞いたことがなかったのです。たまたま家内の親戚に博報堂で務めている方がいて、評判を聴くと「良い会社だよ」と勧めていただいたので入社を決めました。
なぜ、学校の先輩が私に声をかけて下さったのか分かりませんが当時博報堂は、ラグビーやサッカー等の体育会系の学生の採用を積極的に行っており、私も大学でサッカー部のキャプテンを務めていたからかもしれません。どちらにしても私に声をかけて下さった学校の先輩には大変感謝しています。

 

――博報堂でキャリアを築くために工夫されていたことはありますか?

高倉:
少し極端な言い方をすると、何もしなくても給料が上がっていった時代でした。また、会社は定年まで勤める終身雇用の時代でしたので、“上司や得意先にゴマをすり、気に入られればその会社の中である程度は偉くなれました。”
とは言え、当然ですがそればかりでは評価はしてもらえません。同期が60名ほどいたのですが、誰にも負けたくないという気持ちは常に持っていましたね。そして、プロジェクトにかかわる度に「自分ならどうするか」ということを常に考えていました。昔から考えるのが好きだったのです。社内や得意先との打ち合わせの時には必ず自分の意見を言うように心がけていました。
その甲斐もあり27歳で海外へ赴任させていただき、レバノンのベイルートを皮切りにロンドン、ベルギーのブリュッセル、ドイツのハンブルグで11年間働くことができました。この経験は後の外資企業で働く上での糧になりましたね。

 
 
 

『自らの使命に覚悟を持って取り組む』

――博報堂で順調にキャリアを積み重ねていた高倉先生が、転職を決意した理由は何だったのでしょうか。

高倉:
決意と言うほどではありません。「やらざるを得なかった」という言い方が正しいでしょうね。
父の事業が倒産をして、多額の負債を抱えることになったのです。父は誰かが負債を返済してあげないと夜逃げをするしかないほど追い込まれていました。そのような状況で、綺麗事など言えません。「どうすれば父を助けることが出来るのか」と考えた時に、博報堂より給料が良いところに転職をして、自分が稼いで返済していくしかないと思いました。
これが転職の理由です。
人生には、必ず「やらなければならない時」があります。そういうときはやるしかない。
ただ、やるべき理由・モチベーションがあると分かりやすいですね。
父の負債の返済をするという理由から知り合いのヘッドハンターの紹介で、私はジバンシイ日本法人の面接を受けることになったのです。当時、私には化粧品販売の経験など全くありません。ヘッドハンターからも完全に“当て馬”だと言われたほどですから。ところが、なんと代表取締役に就任してしまったのです。当時はバブル経済の真っ只中で、高級ブランドは飛ぶように売れていたので「なんとかなるだろう」という気持ちでした。

 

――とても順調なキャリアステップですね。

高倉:
いえいえ!驚いたのはその後です。実際にジバンシイに入った直後の私の直属スタッフは4人だけ、広告費もゼロで商品ラインナップも他社に比べたら少ないものでした。洋服では一流のジバンシイですが、化粧品部門では後発組で知名度は0に等しい…そんなブランドでしたね。だから、フランスの本社に文句を言いましたよ。そしたら本社の海外担当役員から「資金・人・商品も潤沢にある完璧な状況であれば、君に頼まないよ!この状況で何とかするのが君のミッションなんだよ。」と言われたのです。これがきっかけで、私は開き直ることができました。
また、この一言のおかげで、限られた条件で目標を達成することを自身の使命と考えるようになりました。

 

――その後も数社の外資系メーカーの日本法人トップを経験されていますよね。どのような業務に取り組んでこられたのですか?

高倉:
そうですね。どの会社でも、差別化のアイデアを出す為にカラカラに乾いた雑巾から一滴の水を絞り出すようなことばかりやっていましたね。競合ブランドの商品・サービスがどんどん増えていた時でしたから、ロジカルに考えて出した模範解答で差別化することはできません。だから、いつも「ゼロベース」で考えてきました。そうすると、圧倒的な結果を生み出すことができるのです。拙著『結果をだす人は「ブリコラージュ」で考える』にも書きましたが、これまで正しいとされている常識や定説を疑うことが大切です。
とは言え、一朝一夕でできるようにはなりませんから何度も繰り返し訓練していただきたいですね。

 

――高倉先生のこれまで大切にしていた想いがあれば教えてください。

高倉:
先程お話したとおり、私はへそ曲がりで負けず嫌いなのです。
世間から「いらない」「欲しくない」と言われる商品でも、本社に「売れ」と言われれば売るしかない。だから私は常に「何としてでも結果を出す!」という気持ちで取り組んできました。
ただ、これはもちろん一人でできることではありません。社内外の様々な職種の人に沢山話を聞きました。ディオールやシャネルのマーケティングマネージャーに頭を下げて教えを乞うこともしましたし、資金がないが何とか雑誌に掲載をしてくれないかと、色々な出版社にお願いに行きました。本社の社長と言い合いになることや、反対されても強行にプランを実行することも多々ありましたね。ただ、とにかく「結果を出す!」そういう気持ちでした。
外資系では結果を出さないとクビと思っていましたので必死です(笑)。

 
 

 
 

『“働く理由”を持つ』

――高倉先生のモチベーションをそこまで引き上げるものとは何だったのでしょうか。

高倉:
それは簡単です。「家族のため」です。最初は、父の負債をどうにかしなければいけない、そういう思いでした。
今でも働き続けているのは「8人の孫のため」ですね。おじいちゃん大変ですよ。(笑)大学の入学金だってすごく高いし、ピアノ買ってあげたい、自動車免許をとるのにもお金はかかる。そんなこんなでまだまだ稼がないといけない。自分の健康状態は今後どうなるのか分からないですから、今は出来る限り働く。仕事がなくなるまで体力の続く限り働こうと思っています。
「働く」ということは何かしらのモチベーションがないと出来ません。その点、私の場合はすごく分かりやすいのではないでしょうか。家族のため、社会のため、何でも良いのです。働く理由を持ち、問い続けることが大切ですね。

 
 
 

『常にチャレンジ精神を持つ』

――最後に、次世代リーダーへ伝えたいメッセージをお願いします。

高倉:
やりたいことをやるべきだと思います。
ただ、言うのは簡単ですけど、今は“何がしたいのか”が分からない人が多いですよね。
でもやりたいことは自分で見つけていくしかないのです。他の人の意見は参考にすべきですが最終的にやりたいことは自分で決めるしかありません。
しかも、やりたいことを見つけて、実際にやってみたとしてもうまくいくかどうかは分からないものです。
でも、うまくいかなければ変えればいい。若い内は、目標を変える時間と体力があります。「なんかイヤだな~」と思いながら毎日を送るくらいなら、やりたいことにチャレンジをしてみて欲しいです。
もし私が今の時代の若者なら、大学卒業後、就職せずにすぐに起業しますね。現代はそういう選択肢がありますから。厳しい時代ではあるけれども、自分の好きな道を選べる自由があります。
起業しても成功する人はたったの一握りです。その成功者になれるよう、自分の働く理由を見つけて前向きに頑張って行く人が増えると良いと思っています。

 

――高倉先生、ありがとうございました。
 
 
 

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