2019年12月13日 UP
人材育成

ソーシャルプリンティングカンパニー®を目指す、大川印刷の挑戦!

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みなさん、こんにちは。
「次世代リーダーへ贈る、100年経営のすすめ」第12弾として、100年経営研究機構 研究会の学びをレポートいたします。
 
「100年企業」と一口に言うのは簡単ですが、「100年企業」一社一社には現代に至るまでの様々なストーリーがあり、各社とも山や谷を乗り越え100年という節目を迎えています。本コンテンツでは、日本に3万5千社以上あるという「100年企業」それぞれのストーリーをお伝えすることで『企業が永続する普遍的な要因』を見出し、その学びを少しでも実務に生かしていただきたい、という思いで配信いたします。
 
今回の100年企業は、明治14年創業の「株式会社大川印刷」です。
大川印刷は、近年SDGsを実践する企業として各界に名を響かせており、今年4月には再生可能エネルギー100%を達成したことが大きなニュースとなりました。
本記事では、6代目社長の大川哲郎さんよりお伺いした内容について、主に大川印刷がソーシャルプリンティングカンパニー®を目指す理由、具体的なSDGsの取り組み、それに対する成果についてまとめています。是非ご覧ください!
 

苦難を糧に、社会貢献への情熱を燃やす。

大川印刷は1881年(明治14年)創業。現社長の曾祖父である大川源次郎氏が開業し、130年以上にわたり印刷業を継続しています。従業員は40名程度。2003年から“ソーシャルプリンティングカンパニー®”という指針を展開し、本業を通じて社会的課題を解決できる会社を目指されています。

大川社長は「余裕がないからこそCSR・SDGsに取り組んできた」と言います。バブル崩壊直後どんどん売上が落ちていくなか、丁稚奉公から家業へ戻った大川社長は様々な改善を行いますが上手くいかず、退職者も多く出してしまったそうです。また印刷物が安価な海外へ流れてしまう苦しい時代に突入し、どうすれば良いかと悩んだ末に、環境経営に舵を切りました。
 
大川印刷の歴史は苦難の連続とも言えます。日清・日露戦争を経験し、戦争で土地を失い、そこから這い上がって現在があります。また近代ではお父様である4代目社長を医療ミスで唐突に亡くしてしまうという大きな事件も起こりました。
その際は会社が大混乱に陥り、大川社長自身は大学入学を控えていた時期でもあり「もしかしたら大学へ行かずに働きに出てほしいと言われるかもしれない」と考えたそうです。親族で急遽会議が行われ、お母様が専業主婦から5代目社長に就任することで一旦の収束を見ましたが、その当時の衝撃と苦労は想像を絶したことでしょう。また大川社長自身は成功率97%と言われる手術のミスでお父様を亡くしてしまったことで人間不信に陥ってしまいました。
人間不信で卑屈になった大川社長を奮い立たせたのは、大学時代に訪れたアメリカ南部で目の当たりにした黒人に対する人種差別でした。卑屈になっていた自身を恥じるほどに現実の虐待はひどく、自分にはまだ“生きる力”があることを思い知らされたそうです。この経験が「理不尽な人達への貢献」ひいては「社会・世界への貢献」に対して情熱を燃やすきっかけになったと大川社長は語りました。
 

社員とその家族への教育を強化し、社員主導のSDGs活動を展開。

四苦八苦を繰り返しながら、ソーシャルプリンティングカンパニー®へ舵を切った大川印刷では、SDGs達成に向けた様々な実践を行っています。特に今年4月には初期投資無用の太陽光パネルの設置を終え、再生可能エネルギー100%を達成しました。大川印刷では業務に使用する電力の20%を太陽光、80%を川崎のバイオマス発電による電力/青森県横浜町の風力発電による電力でまかなっています。

また社員や社員の家族に対する教育にも力をいれており、会社の業務とは異なる場でプロジェクトチームを作り、それぞれのチームごとにSDGsへの貢献活動を1年単位で行う取り組みを実施しています。プロジェクトチームの活動では、パートさんやそのお子さんに対する勉強会を開催し、森林認証材の取り組みなどを伝えています。
「子供でもモノを買う時に選ぶことで森林破壊を減らすことができる」というメッセージを伝えたことで、「子供の行動が変わった」「大川印刷で働くことに誇りを持つようになった」という声が多く寄せられており、社員の帰属意識向上にもつながっています。
 
さらには、数千本単位の植樹活動や、SDGs経営計画書の作成、毎朝のSDGsクイズなど工夫をこらした取り組みを実施しています。特にSDGs経営計画書は社員のボトムアップ型で作成し、全社員がSDGsの必要性を理解し、納得した上で実践していく流れを構築しています。そのような活動が実を結び、昨年度の“第二回ジャパンSDGsアワード”では名だたる企業が多数応募するなか、SDGsパートナーシップ賞(特別賞)を受賞しました。
 

SDGsは損得ではない。経営を持続するため取り組むのは当然のこと。

自社の取り組みを共有する機会が増えた大川社長ですが、最近では「SDGsに取り組むと“得”ですか?」ということをよく聞かれるそうです。それに対して大川社長は「損得のレベルではない」と回答します。経営の持続可能性を真剣に考えたときSDGsに取り組むことは当たり前のこと、というのが大川社長の考えです。地球に暮らしている私たち人間一人ひとりが行動を変えていかなければ、世界環境はどんどん崩れてしまう。つまり損得のレベルではないのです。ただし、実践してみた結果言えることは「全く損はない」ということです。
 
大川社長は「未来に対して、子どもたちに責任を押し付けるのではなく、今を生きる私たちが責任を持つことが肝要」と強調します。30年後、息子世代に「お父さん、なんで現役時代にもっと真面目にやらなかったんだよ」と言われたくないでしょう、と。
実際に世界環境は私たちの想像以上のスピードで破壊へ進んでいます。大川社長からは「自分がやれることは、今しっかりとやっておこう」という力強いメッセージをいただきました。
 
 

大川印刷の公式HPはこちら
100年経営のすすめ、他記事はこちら

 

 

(文責:VALMEDIA編集部ライター 遠藤あずさ)

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