- 2017年7月11日 UP
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<インタビュー連載企画第3弾>各分野の専門家に聞く!『社会の変化とともに求められる、次世代リーダーに必要なスキル』③
みなさんこんにちは!
VALメディア編集部による、連載記事を掲載いたします。
本連載企画は、VALCREATIONと関わりのある様々な先生方に次世代リーダーに必要なスキルやマインドなどを伺い、
メディア上の教育機会を作っていこうという趣旨のもとにスタートしたコンテンツです。
今回は第3弾として、
各分野の専門家に聞く!『次世代へ向けた“社会の変化”と“必要なスキル』
をテーマに各分野の専門家にお話を伺いました。
専門的な立場にあるからこそ分かる「今後の社会の変化」や「次世代リーダーに求められるスキル」
を身に付けるための具体策を余すことなくお伝えします。
未来の羅針盤として、是非ご活用ください!
経営コンサルタントとして第一線で活躍する
専門家に聞く『次世代リーダーに必要な心構え』
第3弾は、有限会社イヴロード 代表取締役を務める山口雄一郎さんです。
本インタビューでは、ご自身の活動を通して次世代リーダーに伝えたい心構えを伺いました。
『経営の成功とは、会社の周りの人が幸せになること』
――本日はよろしくお願いいたします。
山口さんは、様々な商品・サービスの開発に携わっていらっしゃいますが、具体的にはコンサルタントとしてどのような業務を行っているのでしょうか?
山口(以下敬称略):私は経営コンサルタントとして、主に補助金・助成金の申請サポート、事業企画、商品企画、業務効率化などに携わっています。もう少し分かりやすく言うと、「会社の肝である商品の品質を高めどのように活かしていくべきか」「社員がモチベーション高く、効率的に働いていくためにはどうするべきか」という点のアドバイスをしています。経営者に求められる能力は沢山ありますが、最近は特に“一気通貫”でマネジメントできる経営者が減ってきている印象を受けます。幸いにも、私は大手メーカー勤務時代、多業界・多業種のお客様と仕事をしていたため、様々な要望に応えるための引き出しを持っていますので、これまでの経験・体験を元に、自分に出来る限りのアドバイスをしています。
私が考えているコンサルタントの役割とは、経営者のボトルネックを客観的に解消することです。会社の業績は上がっていて、何となくうまくいっているように見えても、「何か違うな」とモヤモヤしている経営者は沢山います。“成功”の定義をきちんと持っていないと、このようなモヤモヤに陥ることがよくありますね。経営の成功とは、会社の周りの人々が幸せになることです。ただ、その矛盾やモヤモヤの答えは、案外自分では気がつかないものなのです。故に、コンサルタントは第三者の立場として客観的にアドバイスをしてあげることが大事だと思っています。
――山口さんがコンサルタント活動される中で、大切にしている価値観とは何でしょうか。
山口:「誠実」であることです。コンサルの依頼があった際にも、「誠実」であるかの基準と照らし合わせて、依頼を受けるか受けないかを判断しています。
――具体的にはどのような基準なのでしょうか?
山口:依頼主の経営者が「社員やお客様を大事にしているか」という点を重視しています。悲しいことに、従業員・顧客はさておき、経営者ご自身が儲けたいから力を貸してほしいという依頼は想像以上に多いものです。そういう話には決して乗らないようにしています。
一方で、心から「応援したい!!」と思う会社との出会いもあります。最近の例としては、清澄白河でワインバーを経営している会社ですね。今では自社でワイナリーも持っていて、大変業績も良く、メディアからの取材が押し寄せているそうですが、元々私にコンサルの相談があった際は、あらゆるコンサルタントに都市型ワイナリーの経営を反対されて、補助金の申請すら相談に乗ってもらえない状態だったのですが、何回断られても「どうしてもやりたい!」という情熱がその社長にはありました。私は、その情熱を応援したいと純粋に思って、コンサルを受けることにしたのです。応援と言っても、コンサルタントは経営者に寄り添って、少しアドバイスをし、必要であればそっと肩を押してあげるだけの存在ですよ。私がアドバイスしたのも「何にこだわるか」、「お店の名前」や「立地」、「メニュー」「ターゲット」これくらいでしたね。成功したのは、結果として経営者の情熱の賜物だと私は確信しています。
『“人”を大切にし、共に成長していくこと』
――山口さんが経営コンサルタントになろうと思ったきっかけは何だったのでしょうか
山口:私は元々大手電気メーカーである沖電気に30年以上務めていました。その際、様々な企業から提案を受ける立場にあり、ストレートに言うと「残念な提案をしてくる中小企業経営者が多いなぁ」と感じていました。そして、そういう人に限ってダメなコンサルがついているのです。
独立を決め、「何がしたいかな?」と自分自身と向き合い考えるなか、そうした過去の出来事が思い起こされました。当時は、リーマン・ショック後で、どうやってこれからの経済を立て直していくか思案されている時期でした。私は、国の力を高めるためには、底辺にある中小企業を底上げしていくことが重要だと考えました。大企業で得た事業企画・商品企画・人材育成のノウハウを中小企業へ伝えて、少しでも中小企業活性化のお手伝いができればと思い、経営コンサルタントになることを決意しました。正直、中小企業へ特化したコンサルタントになると決めて、大手からの依頼をお断りするようにしてからは、なかなか依頼が入ってきませんでした。自分の選択は間違っていたのかもしれないと悩み、苦しい時期もありましたが、決意を変えず、様々な“人”に支えられたおかげで、これまでやってこられました。私の軸の一つに、「“人”を大切にすること」という考えがあります。次世代リーダーの方々にも「“人”を大切にすること」が何よりも大事だということをお伝えしたいですね。
――“人”とは、社員やお客様のことでしょうか?
山口:社員やお客様は勿論のこと、自分自身も、パートナーも、家族も、自分に関わるありとあらゆる“人”を大切にしてほしいと思っています。ただ、「人を大切にすること」の本質は、若い内はなかなか分かりづらいと思います。だからこそ、色々な経験を持った人や、沢山汗をかいてきた人の話を聴くことが重要だと思っています。自分は優れているんだと過信をせず、色々な人を尊敬して、積極的に学んでほしいです。そして、自分ひとりで成長するのではなく、「共に発展していく」「共に成長していく」という考え方を持って、人と触れ合ってほしいなと思います。
『社会の変化を理解し、活用する』
――「共に成長していく」というのは、今の社会の流れでもありますよね。山口さんの考えるこれからの社会の変化について教えていただけますでしょうか
山口:正直なところを申し上げると、「社会がどう変化していくか」という点については色々な見方があるのでよく分かりません。ただ、私から伝えたいことは、「どう変わっていくか」ではなく「どう変えていきたいか」「どう変えていこうと思っているか」です。「願えば成る」「言えば成る」と言われているように、「こういう社会を作っていくんだ!」という意志を持つことがこれからの社会変化につながっていくと私は考えています。
例えば、障害者差別や女性軽視は20~30年前と比べるとだいぶ緩和していますよね。この変化も、世の中が勝手に変化していったのではなく、「こうしたい!」という力を持った発信者に引っ張られて起こった変化なのです。次世代リーダーの皆さんには、そういう社会の変化を引っ張っていく一人になっていただきたいです。
リアルな話ですが、100人の人間が戦争すべきだというキャンペーンを始めれば、そうなる可能性だってあるのです。周りの人も次第に、「そうかもしれない…」と流れていきます。明治維新などは正にそうですよね。様々な立場の人間が様々な角度から発信していくと社会は変わっていくのです。どの方向へ持っていくかは、私達次第なのです。
今は情報の伝達スピードが早くなっているため、間違った情報の伝え方をしてしまうと、それが一気に飛び火し、悪影響をもたらすこともあります。正しい情報を伝える力というのも今後は必要になってくるかもしれませんね。
――確かに、そう考えると社会は“人”の意志によって変化しているのですね。
山口:そうなんですよ。だから、どう変わっていくかというよりも、どう変えていくか。が重要なのです。
リーダーならば、これからの変化については理解していないといけませんが、その変化をどのように活用していくか。自分のビジョンを、どのように繋げていくか考えることが大事です。根幹は自分の持つビジョンに対して、世の中の変化を見ながら、自分のやりたいことをどう社会の波に乗せていくか、発信していくか、なのです。
――自分のビジョンを社会の変化の波に乗せていく、というお話でしたが、山口さんの今後のビジョンをお伺いできますか?
山口:私のビジョンは独立当時から変わっていません。中小企業が力を持って社会を変えていけるような状態にしたい、というただ一点です。リーマン・ショック前の日本では、やはり大手財閥の需要に引っ張られて、仕事が出来ていました。うまく行った人はそれに乗っかって、景気が悪くなった時にははしごが外されて、落っこちていく人もいれば踏ん張れた人もいる、という構造ですね。その流れを変えていきたいのです。私は、大手から仕事を頼まれる中小企業を増やしていきたいのです。そのために私がコンサルタントとしてやるべきことは、売上を何倍にする、とかそういうことではなくて、強い組織を作ることだと思っています。まだまだ力不足ではありますが、次世代リーダーの皆さんと一緒にこれからの社会の良い変化をつくっていきたいです。
――山口雄一郎さん、ありがとうございました。
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