2017年9月14日 UP
人材育成

次世代リーダーズキャンプ2017開催報告

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2017年9月9日・10日、滋賀県高島市朽木の森 やまね館にて、
「次世代リーダーズキャンプ2017」を開催いたしました。

朽木の森は、京都駅から車で1時間半程の場所にある滋賀県のキャンプ場です。
若狭で水揚げされた鯖を塩つけにして運んだことが由来となる、通称「鯖街道」を通り、
お昼過ぎに続々と参加者が集合しました。

本キャンプの目的は、都会の喧騒から離れた山奥で自然と触れ合いながら、
リーダーとしての在り方を考え、目線の高い同志を作り、次世代に向けたコミットメントをすることです。
また、参加者の皆様にはNPO法人アサヒキャンプの賛助会員へ登録いただき、
本キャンプの収益を寄付するという、社会貢献型のキャンプであることも特徴の一つです。
初開催となる今回は、全国各地より次世代リーダーを志す経営者・若手リーダーが集結し、
総勢21名の参加者を迎えました。

はじめにオリエンテーションを行い、NPO法人アサヒキャンプ理事長の畠中氏から、
アサヒキャンプのコンセプトや施設使用上の注意点などをお話しいただきました。

そしてアサヒキャンプOBであり本キャンプ実行委員長を務める竹岡氏からは、
「朽木の豊かな自然に囲まれながら、次世代リーダーには何が必要なのか、
先生の講義や様々な議論を通して大いに学び、コミットメントをする良い機会にして欲しい」
という激励の言葉があり、プログラムは講義へと移っていきました。

まずは、ゲスト講師として新将命先生にご登壇いただき、
「勝ち残る企業創りの原理原則」をテーマに“経営”の原理原則についての講義が行われました。
冒頭、新先生より参加者に向けて「一つだけお願いがある」と話しがありました。
お願いとは、「Speak Out」をしてほしい、ということ。
つまり、積極的に手を挙げて質問をし、意見を述べて欲しいという意味です。
Speak Outが一回も無かった人は、夜遅くまで居残り勉強をしてもらいます、
というジョークで場を盛り上げ、いよいよ講義開始です。

新先生の講義のポイントは、長寿企業作りのための“黄金のサイクル”を回そうということでした。
「経営者品質が向上すれば、社員品質も向上する。
社員品質が向上すれば、商品・サービス品質も向上する」というように、
経営者品質からスタートしたサイクルは、最終的には顧客満足、社会満足、業績、株主満足へとつながっていきます。
そのサイクルの始まりである経営者品質を高めるためにはどうすれば良いのか、学びを深めました。

その後、「中江藤樹と近江商人」というテーマで、
近江聖人中江藤樹記念館館長である富永氏の講義が行われました。
朽木の森があるここ滋賀県高島市は、陽明学の祖と言われる中江藤樹を産んだ地として有名です。
陽明学はのち滋賀県出身の近江商人へも多大な影響を与え、特に近江商人の経営理念である「三方良し」の精神は
現代企業のCSRの源流とも言われています。
陽明学の提唱する考え方やその行いが、どのように近江商人を活性化させたのか。
映像や資料を元に、お話しいただきました。

講義終了後は中庭にてバーベキューを行いました。
まずは、「次世代リーダーになるぞー!」と乾杯。
そして自然の食材や近江牛に舌鼓を打ちながら、お互いの事業の話、参加動機、講義の感想などを語り、
2日間学びをともにする仲間や先生との懇親を深めました。

お腹がいっぱいになった後は、場所を移しキャンプファイヤーを行いました。
電灯一つない真っ暗な森の中を、点火用トーチを頼りに歩いていきます。
暗闇を照らす炎を囲み、満天の星が天井から見守るなか、
「火は私たちに光・あたたかさ・友情をもたらしてくれます」という竹岡委員長の“火の話”を聞きました。
キャンプファイヤー後は、懇親と内省の時間が設けられ、キャンプ1日目の夜は更けていきました。

2日目の早朝は、有志メンバーで朽木の森セラピーロードを散策。
朽木の森やまね館で管理人を務めている海老沢氏に案内していただきました。
草木の説明や動物の動きや林業など、普段触れることのない専門的な話しを聞き、新しい学びを得ました。
何よりも辺り一面を緑に囲まれた森の散策の気持ちよさ、空気の美味しさに心が澄み渡りました。

散策後は起床のセレモニーとして、アサヒキャンプカウンセラー現役生が中心になって
皆で歌い、旗を上げ、体操しました。最後に、厨房係より朝食メニューを歌で紹介してもらい、
焼き立てパンという響きに心を踊らせながら朝食をいただきました。

朝食後は、ゲスト講師として弁護士の蒲俊郎先生にご登壇いただき、
「リーダー論とリスク管理」というテーマで講義を行いました。
蒲先生はIT・インターネット・ベンチャーの企業法務を専門とする弁護士として、
上場企業3社を含む多くの企業の社外監査役を務め、企業コンプライアンスの最前線で活躍されています。
講演活動は様々な企業で行っていますが、今回は本キャンプ用に新しく資料をご準備いただき、
新先生の著書「王道経営」を元に、法的観点から見たリーダー論についてお話しいただきました。

その中でも特に、コンプライアンスの定義について重点が置かれました。
コンプライアンスを“法令遵守”と訳すのは古く、法令遵守は当たり前であって、
組織規範・規則、社会倫理など、コンプライアンスには様々な要素が含まれています。
それを“法令遵守”と訳してしまっては、「法令さえ守っていれば良い」と考えてしまう経営者がでてきてしまいます。
実際その解釈により様々な不祥事が起きました。

それでは、コンプライアンスとは何か?
蒲先生が見つけた答えは「Be gentleman」でした。
これは「Boys, be ambitious」で有名なクラーク博士の言葉であり、直訳すると「紳士たれ」という意味です。
細かい規則を一つ一つ覚えるのではなく、私はgentlemanだと言う行動を心がければ、不祥事は起こさないものです。
コンプライアンスと難しく考えるのではなく「Be gentleman」という基準で経営を行って欲しい、
と蒲先生のアドバイスがありました。

そして、2011年に起きたオリンパス事件の際、代表取締役就任後早期解任にあった
マイケル・ウッドフォード氏の言葉が印象的だと紹介がありました。
ウッドフォード氏は「家族に言えないことをするくらいなら、社長の首などいらない」と言い切ったそうです。
法律や規則を一つ一つ覚えるのではなく、「Be gentleman」・「家族に言えないことはしない」という2つの基準で
経営を行っていれば決して不祥事を起こすことはない、という言葉に、参加者も深く頷いていました。

蒲先生の講義後は、1日目に引き続き新先生に講義をしていただきました。
「企業を伸ばすリーダーの条件」というテーマで、
理想のリーダーとなるために必要な能力とその高め方について学びを深めました。
新先生の提唱する4つの「ジンザイ」のうち、理想の“人財”となるために必要不可欠なスキルとマインドについて深堀し、
リーダーとしてあるべき考え方や言葉がけなどについても具体的に学びました。

最後に、新先生から成功するためには方程式がある、
それは「成功=(スキル+マインド)×情熱×運」である、とお話しがありました。
そして「将来の自分は今日からの自分の結果である」という言葉に、「これからの行動で示していこう」と
参加者の熱気も高まっていました。

昼食後は、全体で総括と決意表明を行いました。
参加者からは、
「新先生から教えていただいた、8褒め、2注意を実践すべく、もっと社員を誉める努力をします」
「ダメな経営者の部下、その家族は地獄を見るということがよく分かりました。
自身が経営者になった時にはきちんと原理原則を実践して良い経営者になりたい」
「自身も弁護士だが、コンプライアンスは法令遵守だけではないということをどれだけ理解し、
お伝えできていたか、深く考えさせられた。もっと学んでいかねばと感じた」
「若くしてこれだけの学びを得られるこの環境は本当に幸せだと感じます。
次世代育成のためにも次は社員を参加させたい」
といったコミットメントをしていただきました。

最後に竹岡実行委員長からは、
皆様から頂いた支援金は次世代を担う子どもの教育として活用いたします、と感謝の言葉がありました。
そして、2018年の開催は検討段階ですが、是非前向きに考えていきたい、とお話しいただきました。

これにて、次世代リーダーズキャンプ2017すべてのプラグラムが修了致しました。
素晴らしい先達からの講義、キャンプファイヤー、仲間と触れ合う懇親会、森の散策など
様々なプログラムを通して自身を見つめ直し、
次世代を目指すコミットメントが出来る場となったのではないでしょうか。

次年度の開催が確定しましたら、改めてお知らせいたします。
今回ご予定が合わなかった方も是非ご参加いただければと思います。

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by Valmedia編集部