2017年4月13日 UP
マーケティング

「伝説のコピーライターが説く、セルフブランディング」

TAG:


2017年2月27日(月)東京渋谷にて、特別マーケティングセミナー
「伝説のコピーライターが説く、セルフブランディング」が開催されました。

本セミナーでは、弊社でマネジメントを行っている“伝説のコピーライター”竹島靖より、これからの社会を生き抜くために必要なセルフブランディングの考え方について学びを深め、情報過多の現代に必要な新しい切り口からのマーケティングにアプローチしました。

 
 
 

なぜ現代においてコピーを作成するスキルが必要なのか


竹島 靖(たけしま やすし)
コピーライター・作家・住育研究家
東京の広告制作プロダクションを経て1994 年に独立。グラフィック広告、テレビCM、ラジオCM、イベント、ホームページの企画・制作などを行う。ハイブリッドコピーライターをコンセプトに掲げ、企画・文章・トークの発生する、すべての分野でコトバをデザインする。「伝説のコピーライター」として全国の企業や地方自治体等に対し、「キャッチコピーの重要性と考え方」を説く講演や研修、コンサルティングを行う。日本最高峰のコピーライティング賞を総なめにし、過去に15の広告賞を受賞。日本初の「住育研究家」でもあり、住育の講演やトークライブなども多数行なう。

平成8年から平成18年までの間にインターネット、SNSの発達により情報量は530倍にまで爆発的に増加しています。メールだけでなく、LINEなどのコミュニケーションツールの発達で個人のコピーを作る技術や情報発信能力は非常に高くなっています。例えば、トランプ大統領のtwitterは、全世界のマスメディアが後追いする形になっています。一方で、商品過多・情報過多の現代において、“言いたいこと=人の心がキャッチできること”ではなくなっており、コトバを紡ぐ力がますます重要になっています。
想像してみてください。
530人があなたの前に行列を作って「あなたのことが好きです。来週金曜日食事に行きませんか。」と言われるとします。最初は嬉しくて誰とデートに行こうか考えているあなたも、すぐに飽きて聞かなくなるのではないでしょうか?
そこでこのように言われるとどうでしょうか?
「私はあなたが嫌いです。なぜならばあなたはちっとも振り向いてくれないから。私はあなたをこんなに好きなのに。」
言っていることは同じなのに少し気になりますよね。
つまり、「何を言うか」「どう言うか」に鮮度があれば人は足を止めます。説明や説得、押し売りをしなくても人は好きになったら足を止める、つまり、人間は「役に立つ」か「楽しい」かどちらかであれば反応し同意します。
これらを身に付け、うまいキャッチコピーを作るためには観察力や差別化、表現力を磨くことが不可欠でしょう。

 
 
 

「目的が手段を決定する」

竹島が本セミナーの冒頭に伝えたことは『目的が手段を決定する』ということ。
コピーは、“書くことが目的”になりがちです。かっこいい言葉を作ることに満足したり、書くことに溺れたりするのではなく、集客導線を引いていかにスムーズに集客できるかが主題となります。“書くことは手段”にしか過ぎないのです。
また、いわゆるマス媒体(新聞・雑誌・テレビなど)と通じて広告を打つことが目的になっている場合も多くあります。集客導線を設計した上で、KPI(Key Point Index)、つまり「刷物が何部はけたのか」「ブランドイメージがこのくらい上がった」などの目的を把握した上で書き始めることが大切なのです。
すべてのコピーには必ず目的があります。それらを把握することから始めましょう。

 
 
 

「マーケティングに絶対的な正解はないが『王道』はある」

竹島の言う良いコピーは「シンプルで短いもの、20字以内」です。
コピーを書こうとすると、しばしば普段使わない言葉や表現を使うことがあります。しかし、広く周知させるべきものは万人にとってわかりやすい方が良いでしょう。「かっこよく書こう」「きれいに書こう」とすると、結局伝わらない場合が多いのです。

また、マーケティングにおいて「検索エンジンをいかに攻略するか」が非常に重要な課題となります。何かを検索をする時には長いワードではなく、例えば「レンタカー 安い 渋谷」など短く容易な言葉を使用するが一般的です。反対に、長く難しいフレーズは作った気にはなっても、誰にも届かないこともあるのです。
ブランディングにおいては、ハッシュタグや口コミなどの“取手のついたコトバ”を作ることができれば、それ自体を自走させてキラーコンテンツにすることが可能になります。また、ハッシュタグのついた言葉をそのまま検索エンジンに入れることができれば、効率よく拡散ができるようになります。キャンペーンタイトルであれ、商品名であれ、ハッシュタグを付けることによって“サイト”が勝手にできていくのです。
とは言え、マーケティングには絶対がありません。なぜならば、脳の中の経験や単語の数は人それぞれ異なり、またターゲットや目的の持ち方も異なるからです。「絶対的な正解はないが『王道』はある」、これが竹島の考えるマーケティングなのです。

 

 
 
 

広告効果がもたらすビジネスの落とし穴

竹島の言うマーケティングとは「商売がうまくいく工夫」です。
かつてナタデココがブームとなったフィリピンでは、ブーム中ナタデココの畑があちらこちらにできましたが、ブームが終われば人々は畑を持て余して大変な思いをしたという例があります。
果たしてこれが良いビジネスと言えるのでしょうか?
竹島の言う良いビジネスとは「継続的な事業の発展ができること」です。
ある商品をテレビに取り上げられたお店では、既存のお客さまが買えなくなり、少ししてから潰れてしまったというエピソードがあります。
この時の“広告”は果たして本当に良いものだったのでしょうか?
目的を掲げてそれにふさわしい広告が良い広告であり、人が一気に集まり一気に引いていく広告が良い広告とは言えないのです。つまり、手段に溺れるのが最も危ないことだと言えるでしょう。

 
 
 

マーケティングの基本は「キャッチコピー」

差別化を一言で言ったもの、それが「キャッチコピー」です。
キャッチフレーズがあれば、口コミになるので広告を打つことなく世間に知ってもらうことができます。差別化とは存在理由であり、存在理由があれば口コミで広がる、口コミこそ最大のコミュニケーションとなるのです。
かっこいい言葉でなくとも他にない言葉であればパワフルです。そのような言葉を作るためには、差別化を把握し一言で説明できるようにしておくこと、検索エンジンでどのように検索するか≒何を言うかを徹底的に考えることが基本です。
次に、あなた自身が魅力に感じていることの中でターゲットが魅力に感じていることを探す。
その後、集客動線の設計及び点検を行い、導線が切れているところを確認します。
最後に、KPIと複数の導線が行き着く落としどころを決定します。その導線の中で自分ができることを挙げて改善していきましょう。例えば、HPを少しシンプルにしてFBページで情報発信をするなどが挙げられます。情報発態勢になり発信すればするほど発信する情報のクオリティが上がっていくのです。

 
 
 

スペックよりもストーリー

SNSをビジネス目的で使用するのであれば、実名であるFacebookを使用するのが良いと竹島は言います。とはいえ、若い世代はtwitterやInstagramを使用することが多いのでSNSもターゲットによって使い分けていくことが求められます。
情報が溢れ、モノはすぐ陳腐化する現代においては、スペックよりストーリーの方が強いと言えます。人と異なるところは?物語は?存在意義は?を問い続け、それらを増幅する施策を実施していきましょう。
 

 

講演の最後に竹島より「あなたにはあなたにしか書けないコピーがある。コピーを磨きたいのならば素質と訓練が必要で、まずはとにかくたくさん書くことが大事!」とメッセージがあり、大盛況のうちに閉会となりました。
受講者からは「全く時間が足りず、もっと講義を聞きたかった」という嬉しいお声をいただいております。

「実際に、キャッチコピーの腕を磨きたい」「プロのライターにコピーの技法についてさらに学びたい」という方は、4月15日(土)開講の『竹島塾』へ是非ご参加ください!
皆様のご参加お待ちしております。

 
 
 

4/15(土)・5/20(土)『竹島塾』

お申込みはこちら

<開催概要>
(日 時)1日目:4月15日(土) 13:00〜17:00
     2日目:5月20日(土) 10:00〜15:00
     ※昼食休憩を挟みます
(会 場)文化ファッションインキュベーション
     東京都渋谷区桜ヶ丘町23-1
     渋谷区文化総合センター大和田10F
(受講料)49,800円

(カリキュラム)
【day1】“何(What)を言うか”  広告に頼らない「セルフアド」の手法
 □ 集客動線の設計
 □ 差別化点発見チャート
 □ バックキャスティング
 □ ワークショップ
 ※1日目のカリキュラム終了後、懇親会を予定しております。

【day2】“どう(How)言うか”  実践に役立つキャッチコピーの作り方
 □ マーケティングのグランドデザイン
 □ キャッチコピー48手
 □ ワークショップ

お申込みはこちら

 

投稿者プロフィール

Valmedia編集部

Related Article