- 2017年8月23日 UP
- マーケティング
第31回「高倉塾」。90年の伝統を誇る雛人形メーカーの新商品開発 3回目
2017年8月17日(木)東京渋谷にて、第31回高倉塾を開催いたしました。
本講義では、前回同様に雛人形メーカーである株式会社左京の望月琢也さんを迎え、
「90年の伝統を誇る雛人形メーカーの新商品開発」をテーマに講義を行いました。
本テーマは、元々全2回で終了する予定でしたが、高倉塾で提案したアイデアを元に
望月さんが実際動いた結果、新たな問題が浮上したため、
今一度高倉塾で解決策を考案していただけないか?と望月さんより相談があり、
今回特別に3回目の講義を開催することとなりました。
1回目・2回目の講義では、大変な業界不況の中、
売上を上げるための新商品についてアイデア出しを行い、
最終的には数を売るよりも単価をあげていくほうが現実的であること、
そして望月さん一人でも動けるという点を踏まえて、
相続対策にもなる「純金屏風の雛人形」をつくろうということで話がまとまりました。
今回は初めて参加した方が多く、講義に入る前にまず高倉塾長から『高倉塾』の意義の共有がありました。
高倉塾長が博報堂を辞めて、外資系1社目で『ジバンシイ』へ入社した時のことです。
人もいない、お金もない、商品も少ない、化粧品のことは何もわからない。
そのような中でどうやって売っていけばよいのか試行錯誤し、
シャネルのマーケティングマネージャーに頭を下げ、教えを請うたことがありました。
その際、化粧品のマーケティング手法についてとてもわかり易く教えてもらったそうです。
ただし、それはお金がある会社だからこそできる模範解答でした。
やり方は正しいが、『ジバンシイ』には出来ない。
そう感じた高倉塾長は、「正しいことが必ずしも使えることではない」ということに気付きます。
高倉塾は、マーケティングの中でも“ブリコラージュ思考”を身につけるための塾です。
高倉塾長の言う“ブリコラージュ思考”とは、“やっつけ仕事”という意味があります。
分かりやすく言うと、手持ちの材料で目的を達成する、ということです。
これは望月さんへ向けたメッセージだと言い添えて、ブリコラージュ思考を持つための重要なポイントを伝えました。
・明確な目標を持つこと
・何としてでも達成するという情熱を持つこと
この2つを持っていなければならないと、高倉塾長は強く主張しました。
『高倉塾』の意義を再確認し、本テーマでの講義が始まりました。
望月さんが実際に動いた結果、何に問題を感じているのか。
それは、実際に金の雛人形を販売するにあたって、
どのように(How)どこに(Where)だれに(Who)売っていければよいのかということでした。
11月に中国へ行くため、そこで実際に売れるように、
日本である程度の実績を作っていきたいという思いを持っての参加でした。
次に、高倉塾生のADDIX田中さんから、
ADDIX社でサポートを行っているサービス『ワンダーフライ』の共有がありました。
『ワンダーフライ』はANAが主催するクラウドファウンディングサービスです。
製品づくりに挑戦したい人をANAの販路を使って応援したいという主旨で行われており、
ANAのマイレージ会員2200万人が支援しています。製品の有効性というよりも、
製品の持つストーリーにどれだけ共感できるかが成功のポイントとなります。
クラウドファウンディングという新しい考えを視野に入れつつ、
4つのチームに分かれてディスカッションを行いました。
・1度買った人へ、1年ずつパーツを純金に変えていく提案をする。
・クラウドファウンディングを活用して、孤児院に雛人形を届ける。
・孫の顔をした雛人形を作り、祖父母へ訴求する。
・徳川家康の純金人形を、「天下取り人形」として法人へ売りに行く。
など、新しい角度から様々な意見が発表されました。
高倉塾長からは、
「これなら売れる!これなら欲しい!」という商品でないとならない。
特に、高級品として営業していく上では、どの様に提案するかが非常に大切である、
とアドバイスがありました。
タイムオーバーとなり、実際にどの方法を取り入れて行動していくかは
望月さんに検討していただくことになりました。
「左京をなんとかしてやる!親父(=社長)からの許可がなくとも、自分がやるんだ!!」
という意気込みで取り組んで欲しいという高倉塾長からの激励とともに、本講義は終了いたしました。
講義後の懇親会では、挙がった案についてどの様に実現していけばよいか意見を出し合いました。
ここから先は、望月さんお一人で問題解決のために行動を起こしていただきますが、
良い進捗が聞けるよう事務局としても応援していきたいと思います。
さて次回は、9月21日(木)19:00~21:00にて開催いたします。
次回は新テーマにて行います。ご興味のある方は是非お申し込みください。
⇒http://takakurayutaka.com/academy.html
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